視線の先にダイヤモンドを1周する近本の姿があった。同い年の1番打者が、プロ入りから2年連続100安打を、最終打席で、しかも本塁打で決めた光景は、生涯忘れられないものになった。
(中略)
これほどレアな記録とは思わなかった。
2000安打達成の名手・鳥谷敬(ロッテ)は打ってないのか?
調べてみたら、2004年のルーキーイヤーに59安打しか打っていなかった。試合に出るのが当たり前の男も、1年目は苦労している。
(中略)
2年目は悔しい78安打に終わっている。ただ、それでも盗塁王だけは獲得しているから、さすが赤星!
今岡誠(ロッテ2軍監督)はどうだったか? 1年目63安打、2年目138安打。
例に挙げて申し訳ないが、後の「代打の神様」桧山進次郎なんて、1年目3安打、2年目11安打。神様は大器晩成だったのだ。
いかに、プロ入りから2年連続100安打超が難しいか。理解していただけたでしょうか。
過去の達成者をズラッと見渡して気が付いた。別当監督、後藤監督、吉田監督、岡田監督…。坪井智哉(DeNA打撃コーチ)以外は、みんな監督になっている。監督就任確率は80%。坪井コーチを含めて、立派な指導者になる確率は100%だ。ということは、そう遠くない未来に「近本監督」が誕生するかもしれない。
「いいですね。そのとき、ぜひ担当記者として取材したいです」
原田記者が名乗りを上げ・・・・・
近本監督!?
遠くない未来と言っても、早くても20年後では?