医師からは手術を勧められ、本人も手術したいという希望を伝えた。しかし、球団は難色を示した。一二三はまだ18歳と若い。肩にメスを入れれば、少なくとも1年以上は棒に振ってしまうことだろう。ならば、保存療法に取り組んではどうか。インナーマッスルや周辺の筋肉をトレーニングして補強する方法もある。球団として一二三の将来を考慮した上でのアドバイスだった。
最終的に一二三は球団の方針に従うことになった。そして迎えたプロ1年目。1月の新人合同自主トレから、肩は絶不調だった。(中略)
現役引退――。その四文字が頭をよぎる。だが、一二三には一度は捨てたはずの感情が蘇っていた。
「このまま野手で終わるのはイヤやったんです。でもピッチャーをやろうと思っても肩は痛いし。じゃあ、オレ終わりかぁ……とも考えていたんですけど。この痛みをとにかく治したい。手術すれば痛みが消えるんちゃうかなと思って。治ったらピッチャーをやろうかなと」
・・・・・
一二三がんばれ!
やりたい気持ちがあれば
あきらめたらあかん
肩の痛みが少しずつなくなって
回復することを願う