阪神大山悠輔が手元のタブレットを凝視しながらタクシーに乗り込もうとしていた。(中略)ニッコリ笑顔でシェアしてくれた画面には、1回表の攻撃が流れていた。3番佐藤輝明がタイムリーを放つと「また打った。すごい!」。4番井上広大が打席に入ると「4番の雰囲気、出てますよね」。佐藤輝が好走塁を決めると「あっ、走った。ナイス! 」。新主将は残留組でも気持ちを切らさず、心だけは北谷に“遠征”させていた。
昨季28本塁打の主砲は12日紅白戦で腰背部に張りを感じ、以降は実戦出場を取りやめている。(中略)本音は「休みたくない」だったのでは? 勝手な想像をぶつけると、大山はキリリと表情を引き締め直した。
「今まではどこかが痛いなんて言える立場ではなかったですしね。今回もシーズン中だったら絶対にプレーさせてもらっているレベルです。でも…」
(中略)
チーム内の立場も鑑みて、長いスパンでチームを支え抜くための決断を下したのだろう。言葉の節々から責任感がにじみ出ていた。
(中略)
「去年もそうですけど、糸原さんとかがベンチでもだいぶ盛り上げたりしてくれるんです。それは本当にありがたい。あとは…福留さんがやってくれていた役割をどうするか、ですよね。チーム全体を締めないといけない時にどうするか」
(中略)
頂点を目指す上で避けては通れない「ポスト福留問題」。もちろん、特定の1人だけに「引き締め役」を託すのは酷な話だ。大山は「梅野さんたちもやってくれるとは思いますけど…」とイメージしつつ、・・・・・
大山選手、頑張れ。