「巨人は、原監督がGMを兼ねたような全権監督として組織を主導し、シーズンが開幕してからもトレードで高梨、ウィーラーを獲得して足りない部分を埋めた。編成部の選手を見る目もあったと思う。加えてスカウトを人事異動させるなどして組織全体に緊張感を作り、それがチームの緊張感、危機意識にもつながった。他の5チームはヤクルトが最近になって独立リーグから元阪神の歳内を獲得したくらいで、主力に故障者が出ても組織としての動きは見られなかった。厳しい言い方だが、危機意識を感じなかった。これだけのゲーム差が生まれてしまったのも無理はない」
巨人は6月に楽天のウィーラーと池田駿をトレード、7月に左腕の高梨雄平と高田萌生とのトレードを成立させ、2人とも戦力になった。開幕後に阪神が飯田優也とオリックスの小林慶祐のトレードを行ったが、打倒巨人につながるような補強ではなかった。
(中略)
「セは原監督の采配が際立っている。横浜DeNAのラミレス監督は5年目だが、広島の佐々岡監督、ヤクルトの高津監督は1年目、阪神の矢野監督、中日の与田監督は2年目。14年の監督経験があり川上哲治氏の1066勝を抜いた原監督と比べあまりに経験値が違う。接戦のゲームでは、監督力の差が如実に出ている。阪神が他に勝てても巨人に勝てないのは、その監督力の差、つまり野球の質でありチームに植え付けている意識の差だろう」
セの監督は、リーグ優勝8度の原監督以外で、チームを優勝に導いた監督は一人もいない。監督の経験値の差がイコール、ゲーム差につながったのか。
「パに目を向けると、ソフトバンクの工藤監督、西武の辻監督、日ハムの栗山監督と経験値のある監督がいる。西武は苦労しているが、栗山監督などはチーム力を最大限に引き出している。またロッテの井口監督は3年目だが、勝負勘はありソフトバンクで優勝経験のあるコーチが周囲を固めている。楽天の三木監督は1年目だが、故・野村克也監督の薫陶を受けてきたコーチ経験を生かし、石井GMがしっかりとバックアップし、監督としての経験値の少なさをカバーしている。セとパのペナントの違いを生んだのは、これらの監督力の違いと言えるのかも」・・・・・
監督の力は大きいです。もちろん、勝敗の全てが監督で決まるわけではないが、少なくとも采配で負けることはある。それを先のベイス3連戦で痛感した