奇跡を信じて走り始めた瞬間、鳥谷敬は予期せぬ異常事態に肝を冷やした。今だから明かせる舞台裏だ。
「本当に焦ったよ。スタートはうまく切れたのに、思っていたより全然足が動かなくてさ…」
(中略)
マウンドには守護神の右腕・陳鴻文。9回1死から四球で一塁に歩く際、鳥谷は試合前ミーティングで頭にたたき込んだスコアラーの言葉を思い出していた。
「陳鴻文はクイックが遅い」「けん制球は1打席中に1回だけ」-。
ベンチの指示は「行けたら行け」。1死一塁。長野久義が中飛に倒れるまでにクイックの遅さを確認。2死一塁。井端弘和が初球を迎える前に、けん制球を受けた。条件はそろった。
「怖くはなかった。アウトになるなんて考えもしなかった」。だから、鳥谷は走った。「あれっ、いつもと感覚が違う…」。唯一の誤算に気付いたのは、スタートを切ってからだった。
WBCでは当時
(中略)
劇的勝利。午後7時8分から4時間37分の激闘を終えた翌朝、鳥谷は目を充血させて東京ドームでの練習に現れた。
「全然寝られなくて暇だったから、朝イチでウエートトレしてから来たわ」
今年でプロ17年目。試合に興奮して眠れなかった夜は、後にも先にも1度だけ・・・・・
https://www.youtube.com/watch?v=okvVzlwVUjs
みんな興奮した❗️