一般的に、各球団が外国人を獲得する際には、大きく分けて2つのルートがある。1つはフロントが主導権を持って行う方法。もう1つは数多くいる代理人主導で進めていく形だ。
フロント主導の場合は、編成、現場の意向などを練り合わせて該当する選手を探し出し、時間をかけて調査する。担当スカウトも球団の人間が担当する場合がほとんど。そのため、駐米スカウトとして球団職員の契約を結ぶこともある。時間と予算はかかるが、球団の意向に沿った外国人を獲得できる可能性が高い。
もっとも、メリットばかりというわけでもない。事情に詳しい某球団関係者は語る。
「編成主導での外国人獲得は時間がかかる場合が多い。そのため組織が変わって調査などの動きが止まったりして、うまくいかないこともある。特に親会社関連からの出向などで編成担当者が球団に来た場合はそれが多い。昨年の巨人などはその最たる例です」
(中略)
一方、代理人主導の場合は、彼らの売り込んできた選手から選び、数試合の現地視察を経て契約となる場合が多い。球団はほとんど何もせずに外国人を探すことができる。しかし、実際にじっくりと見て獲得したわけではないからハズレを引くことも多く、いわゆる“悪徳代理人”にだまされるケースも少なくない。
「これまで阪神は独自ルートをほとんど持っていなかった。だから戦力的に困った時に代理人に頼らざるを得なかったため、『欠陥品』を掴まされることが多かった。これからはフロント主導で、しっかりと選手の掘り起こしをやった方がいい。日本人の若手で良い選手が出てきているので、その間に外国人補強にも強くなれば、黄金期到来も夢ではない」。前出の球界関係者は阪神についてこう話す。
その阪神とは対照的に、よく“当たり”を引くというイメージが強い中日には、森繁和氏という特別なルートがあった。中日時代の森氏をよく知るスポーツライターは語る。
「中日を退団した森氏はドミニカ共和国など『モリシゲ・ルート』が有名。森氏が独自で作り上げた中南米ルートだが、ビシエドなど多くの優良助っ人を発掘・・・・・
ダレガ イウトンネン