もう1人の西がタテジマにやってくる。虎が誇るエース西勇輝の遠い親戚が。まるで呼び寄せられたかのように。
「阪神 西純矢」
テレビ画面を通してドラフト会場から届いた声にちょっぴり笑顔。やがて、右手で目をこすった。うれし涙?
「いえ、照明が眩しかっただけです」
会見場の体育館に集まった在校生252人は大爆笑。最高の西スマイルだ。
「あの甲子園で、もう一度投げられると考えただけでワクワクします」
甲子園でスターになった岡山の球児が、甲子園に帰ってくる。最速154キロの剛腕が聖地を沸かせたのは昨夏。1回戦で16奪三振の快投
(中略)
高校1年の秋。公式戦で敗れたその日、父・雅和さんが倒れた。4日後に帰らぬ人に。45歳の若さだった。
(中略)
最高の先生が身近にいてくれる。阪神のCSの戦いも「全部見ました」。指名前からタイガースをすでに勉強済みだ。
未知の世界に不安だらけの西をさらに安心させたのは、高校生ばかりの阪神の指名。「それが一番ホッとしました」。井上(履正社高)、及川(横浜高)らはLINE仲間。1位から5位まで・・・・・
小川「おれもLINEグループ入れてな」