実は、試合前に岩崎本人と、こんなやり取りがあったからだ。
記者「“ノーヒットノーラン”狙えるんじゃない?」。
岩崎「そんなこと言うと打たれるんですよ」
左腕は7月27日の巨人戦から21人連続でアウトを奪っていた。あと6人続けて打ち取れば9イニングを無安打で投げたことになる。主に勝ちパターンの7回を任されての“無双”だから価値は非常に高く、先輩記者とも「これはすごい記録やな」と盛り上がっていた。翌日は試合がなく紙面もガラ空きだったこともあり「岩崎“ノーヒッター”狙う」という、いかにもスポーツ紙っぽい原稿でも書ければ良いな…と思って話しかけていた。
当然、ヒットを浴びれば原稿のプランも失敗に終わるとあって、その名がコールされると、祈るような思いで背番号67に念力を送っていたのだが…。試合後、帰りのバスに乗り込む際に目が合った岩崎から「だから言ったでしょう。あなたのせいですよ」と苦笑いでチクリと言われた。・・・・・
“幻のノーヒッター”☆
重心の低さよ