阪神は2017年度、主催試合の年間入場者数が300万人を超え、12球団トップの座を6年ぶりに奪還した。しかし、足元ではファンの高齢化という危機が忍び寄る。球団は本拠地・甲子園球場に女性や子どもを呼び込み、新たなファンに育てようと懸命に取り組んでいる。(中略)スコアボードのビジョン映像で、球団OBの桧山進次郎氏が来場者に語りかける。
「声援って本当に選手の力になるんですよ。でも、子どもに聞かせられないヤジはね……。たとえば『くたばれ』とか。全ての選手に愛のある声援を」
このビジョン映像は今季初めて登場し、ネット上では「くたばれコール自粛要請」と話題になった。球団がもくろむのは応援マナー全般の向上だ。
実際、最大4万7千人を収容する甲子園の歓声は圧巻だ。好機や得点シーンでは選手を後押しするが、ミスや相手の得点では怒声やヤジとなって襲いかかる。昔ながらのファンには痛烈なヤジも含めて甲子園名物という受け止め方もあるが、球団は「子どもに聞かせられない」という声を重くとらえた。
背景には将来への不安がある。球団の調査では17年の観客の平均年齢は40歳代後半。10年前と比べて7~8歳上昇した。「直近5年間では2~3歳の上昇に抑えられ、若年層の開拓の成果が少しずつ出ている」(営業部)というが、若返りへと転じるほどの劇的効果はない・・・・・
35歳は若者に入るのでしょうか?