--まだ室内の方で練習がありますんで…
ベンチ裏から選手ロッカーへ通じる通路。スタッフが、待ち構える報道陣にやんわり“取材自粛”を伝えた直後だった。
「ジャンヌ・ダルク」
謎の言葉が聞こえてきた。声の主は間違いなく糸井。予期せぬ仰天フレーズに呆然とする記者など眼中にないかのように再び…
「ジャンヌ・ダルク」
さらに歩を進めて、ダメ押しのもうひと声…
「ジャンヌ・ダルク」
歴史上のあの超有名人のことなのか。3度、繰り返し、その後、糸井は報道陣の前に戻ってくることはなかった。
どういう意味?
そりゃ、誰もが思う。でも、こんなの本人しか分かるはずがない。不思議な世界に棲む男だ。突然、「バウバウ」と叫んだかと思えば、「賄賂」と言いながら5000円札を出して記者の質問を封じようとする。糸井ワールドは誰も説明などできないのだから。・・・・・
糸井ワールド!
あわわわ…