この能見のような先発投手は他球団にもなかなかいないのではないか。キャリアハイは2009年の13勝9敗、防御率2.62で、獲得タイトルは2012年の奪三振王のみ、つまり圧倒的な大エースと評せるような成績を残した年はないのだが、過去8年もの長きにわたって、しかも30歳からの8年間という投手としては決して若くない期間に、そのほとんどを先発ローテの中核として過ごしてきた。
この8年のうち、二桁勝利と防御率2点台がそれぞれ5回ずつで、残り3年もすべて8勝以上および防御率3点台。確かに負け数は多いのだが、先発として投げることが能見の仕事であるなら、彼はずっとフル回転で仕事に取り組んできた。彼の30代は、とにかく汗水流して働き続けてきた。昨今の球界では先発投手が生み出す貯金の数を重視する風潮から、いわゆる「勝てる投手」だとか「負けない投手」だとか、そういう表現で投手を称賛することが多いが、この能見は12球団屈指の「働く投手」だ。・・・・・
働く男!
遅咲きの星です