糸井が、クラブハウスへと続く通路を引き揚げようとすると、報道陣が群がった。背後では、福留が目を光らせていた。
「きょうは糸井サン、しゃべらないらしいよ。初めての甲子園の感想とか」
ドドッと沸いた。10人以上の報道陣は苦笑い、糸井も笑った。すれ違うのがやっとの狭い階段を登りながら、主将はさらに続けた。「きょうはネタないよ。きょうはねえ、糸井クンは疲れてるの。毎日毎日、関西の記者に囲まれて。みんなのせいで夜も眠れないって、疲れてるんだよ」。ここでチラッと振り向いた糸井が「それも書かれますよ!」と・・・・・
ドメさん!
経験者は語る。