「また同じように初回に失点して…。何回同じことをしてるんやと。どうせ(首脳陣に)怒られるなら、語弊があるかもしれないですが“もうめちゃくちゃにしてやろう”と思ったんです。それで2回からフォームを以前のものに戻したら、まっすぐで押し込めましたし、自分の感覚的にはバッターが怖がっている感覚もあった。すごく遠回りしたんですけど、やっと気づけた部分でした」
球宴明けから左足を上げた際にグラブとボールを離す新フォームを導入していたが、理想の球質に近づくことは容易でなかった。一体、何が正しいのか、どうやったら勝てるのか…。22歳は迷路にはまっていた。
「鶴岡さんにも言われたんです」
9月上旬、昨年バッテリーを組んで相性がよかった先輩捕手に「晋太郎、前からそんなフォームやったか?前の方が良いんちゃうか」と言われた。グラブを打者方向に押し込むように間を取って、腕を振る従来のフォームへの原点回帰で、“生き返った”。・・・・・
従来のフォーム!
(自分で自分に)もうめちゃくちゃにしたれ!