キャプテンの鳥谷には「トリがもっと熱いものを出せば、みんな、絶対についてくる。WBCのときのように体中で気迫を表したらどうなん?遠慮せんと、阪神でも出せばええやないか」と。実は、この時に限らず、しょっちゅうトリとはそんな話をしていました。彼からは「しつこいオッサンやなあ」と思われていたかもしれませんが(笑)、僕の本音だったんで、とことん言わせてもらいました。(中略)
引退することをチーム内で真っ先に伝えたのは、同級生の福原と、鳥谷です。9月28日の巨人戦の試合中、トリに伝えると「そうなんですか…。それなら、なおさら、今年勝ちたかったです…」と言ってくれました。僕は「来年、頑張ってくれな」と言い、思わずこみあげてしまいました。
新井貴浩にも電話しました。「まだまだ、できるだろう」と励まされましたが、もう決めたからと言うと、残念がっていました。「セレモニーはやらんのか?絶対にしてもらえよ」と、最後まであいつらしい気遣いをしてくれましたが、僕は、最終戦が終わるまで公表したくない旨を伝え、外様で5年間しか阪神にいなかった…まして、大した貢献もできへんかったのに、そんなたいそうなことしてもらわれへん!と伝えると納得して「終わったら、また行こうな」と、食事の約束をしました。(中略)
近大時代、巨人に入団した二岡を目的に見に来たスカウトの方から「君は小さいからプロは無理だな」と面と向かって言われました。見てろよ…。そんな負けん気でプロの道を目指し、ここまでやってこれました。お世話になった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。最後にプロを目指す野球少年、特に小柄な子供たちにひと言、言わせてください。このおっちゃん、見てみ。君たちも絶対、夢をかなえられるから。
(阪神タイガース捕手・藤井彰人)
引用元 阪神・藤井が引退…“男前”独占手記/タイガース/デイリースポーツ online
男前(´;ω;`)
花束用意しますから