選手を信じ、全面的に任せて“待つ”和田監督。
「甘かったとかそんな問題じゃない。ベテランなんだから考えろよ! 右方向に打てば犠牲フライでも、ゴロでも1点入っただろう。あと1点取れば勝ちなんだ。それを思い切り引っ張るなんて……」(中略)そのやり場のない不満の矛先が、鶴岡の一打に向いたのだ。
良くも悪くもこのシーンが阪神というチームを、もっと言えば和田豊監督の性格を象徴していた。内部の人間ですらこの場面をやり玉に挙げてしまうわけだが、ベンチは鶴岡に特別な指示を出していないのである。つまり、選手を信じ、任せた結果なのだ。
誰もが見離したマートンを、待ち続けた和田監督。
「なんで、あいつは外されないんだ」チーム内からも不満の声が漏れ始めていた。
そんなある日、指揮官は遠征先で久しぶりに散歩へ出掛けた。気分転換のはずだったが、出てくるのは、やはり悩みの種ばかり。「今のマートンに何を言っても聞かないだろう。時間を置くしかないんだよ……」
初夏のような空の下でも、その表情はなかなか晴れない。ただ、そうこうして1時間ほど歩くうちに、次第にすっきりとした表情になっていった。「やっぱり散歩するもんだな。気分がリセットする」(中略)
マートンを待ち続けて……ついに猛打復活!
決断は吉と出る。
引用元 “鳴くまで待つ”か“鳴かぬなら”か?阪神と巨人の監督比較、秋の陣。(1/3) [One story of baseball] – Number Web – ナンバー
鳴くまで待つ!
ファッ!?
チーム内からも不満の声・・・?