でもやっぱり、野手のなかで一番キビしく当たったのはトリ(鳥谷敬)やね。印象深いのは、 ’05年にリーグ優勝したあと、銀座でクラブを貸し切っての祝勝パーティで、オレは何時間もトリに説教を続けたんだよ。
そのとき強く言ったのは、
「すべてのプレーに、すべての選手の生活がかかっていると思ってやれ」
ということ。
「オマエが必死にプレーしないで追いつかれたり負けたりしたら、勝ち投手の権利がなくなるヤツがおる。勝利数が減ったら裏方さんの待遇も悪くなる。オマエだけじゃねえんだ、一緒にやってる人たちの生活もかかってんだ!」
って延々と説教して。トリは目に涙を浮かべて真剣に聞いてたよ。しかも、その横で関本(賢太郎)まで涙目になってたわ(笑)。近くにいた桧山(進次郎)にも、
「自分さえよければいい、っていう雰囲気になってるチームを黙って見てきた先輩のオマエが悪いんや」
って説教してな。桧山からしたらもっとほかにそういう先輩がたくさんおるのに、とんだトバッチリやったろうね。
トリには試合中もさんざん言った。覇気のないプレーを見せたときは、
「なんじゃボケェ! オマエみたいのに試合出られたら迷惑や、出んでエエ!!」
とね。トリはマジメやし、性格もオレとは違う。さんざん言ったけど、
「いまでは言われた意味がわかります」
って、理解してくれていたことがうれしいね。
引用元 本当のプロ野球の話をしよう 金本知憲&下柳剛 新リレー連載第4回 阪神に必要だったパ・リーグの厳しさ | スポーツ | 現代スポーツ | 現代ビジネス [講談社]
- サンキューシッモ
- こういう厳しい先輩って必要性やな
- 涙ですね
- 桧山とばっちりでワロタ
- 秀太もビビりますわ
- 説教されてるうちが華です
- 下柳はついこの前実況で、それにしても鳥谷は守備上手くなったねーってシミジミと言ってたな
こういう先輩がいてくれたので、成長することが出来ました
ありがとうございました